コラム Column

近藤明夫税理士事務所コラム

日々の、仕事を通じて考えたこと、気づいたことを、
このように“コラム”としてまとめています。
読んでいただいた方にも何かのヒントになればと思っています。
長くお付き合いをする上で、自分の考えや思いに多少なりとも
ご賛同いただければ、と願っています。

非上場株式の納税猶予制度について

 非上場株式を被相続人(先代経営者)から相続により相続人(事業後継者)が取得して、会社経営を継続する場合には、中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律第12条第1項の認定を受けて、後継者が納付すべき相続税のうち、その株式等に係る課税価格の80%に対応する相続税の納税が猶予されるものです。
 但しこの制度はあくまで納税の猶予であって恒久的に税額を免除するものではないので、最悪の場合納税猶予の解除ということになれば多額の猶予税額および利子税を納付しなければならないこともありますので注意が必要です。
 そこで適用をうける場合の注意すべき点を簡略にまとめてみました。

  • @納税猶予を受けるに際して猶予税額及び利子税の金額に見合う担保提供を行うこと。  一般的には非上場株式の全部を担保に提供すれば条件を満たすとあるので、他の担保提供よりは利用しやすいと思われますが、提供時以降後継者死亡までの長年の間、非上場株式についての贈与等の相続税対策が取れなくなります。
  • A株式を担保提供していない場合にも株式を一部譲渡等した場合には5年内は猶予税額の全額解除、それ以降は譲渡した部分に対応する猶予税額の解除となります。
  • B相続時より5年間雇用の平均が8割維持できなければ納税猶予額の全額解除となります。  経営状況が苦しくなってきた場合も無理に雇用維持をしなければ猶予税額の全額納付をしなければならないということになります。
  • C事業継続が困難になった場合、資産賃貸収入のみの資産運用会社になった場合などは、納税猶予を維持するためには雇用人数を5人以上維持すること等が後継者死亡までの長年の間要件とされるので、後継者の事業転換が困難になるものと思われます。
 

上記納税猶予を受ける際には十分考慮検討することが必要です。

(平成29年12月1日 現在)


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