日々の、仕事を通じて考えたこと、気づいたことを、
このように“コラム”としてまとめています。
読んでいただいた方にも何かのヒントになればと思っています。
長くお付き合いをする上で、自分の考えや思いに多少なりとも
ご賛同いただければ、と願っています。
印紙税について
今回は、身近な税金のひとつである印紙税について取り上げたいと思います。
その中でも一番身近と言えば、受取書、領収書などに貼る印紙(17号文書)では、ないでしょうか?
ここで、受取書などを作成する時の注意点を少し上げておきます。
T.売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書かどうか?
- 売上代金に係る場合:第17号の1文書
商品の売上代金の受取書、家賃の受取書、建物の賃貸借契約に伴う権利金の受取書など - 売上代金以外の場合:第17号の2文書
保険金や保険料の受取書、敷金の受取書、割戻金(リベート)の受取書など
※売上代金とは: | 資産を譲渡することによる対価、資産を使用させること(当該資産に係る権利を設定することを含む。)による対価及び役務を提供することによる対価をいい、手付けを含みます。 |
(注)売上代金以外の受取なのに、1文書の金額基準で印紙を納付していないか注意!
U.営業に関しない受取書でないかどうか?
第17号文書の金銭又は有価証券の受取書であっても、受け取った金銭などがその受取人にとって営業に関しないものである場合には、非課税となります。
◎営業というのは: | 一般通念による営業をいい、おおむね営利を目的として同種の行為を反復継続して行うことをいいます。したがって、株式会社などの営利法人や個人である商人の行為は営業になりますが、公益法人や商人以外の個人の行為は営業には当たりません。 [例]個人が生活動産である車を売却した場合の代金の受取書など |
(注)営業に関しない受取書は、非課税であるので注意!
V.金額など記載事項をきちんとわかるように記載しているか?
・消費税の記載について
消費税の課税事業者が受取書を作成する場合に、その取引に当たって課されるべき消費税額等が具体的に明らかとなる場合には、その消費税額等は印紙税の記載金額に含めないこととされています。なので、記載内容によって変わりますので注意しましょう。
[例]商品代金30,450円(消費税1,450円含)を受領した場合 | ||
○ | @ | 金30,450円 但し、うち消費税及び地方消費税の金額1,450円 |
○ | A | 金30,450円 但し、税抜価格 29,000円 |
× | B | 金30,450円 但し、うち消費税及び地方消費税の金額5%を含む |
上記の場合、@とAは、記載金額が29,000円となり、30,000円未満ですから、非課税文書となりますが、Bについては、消費税額等が具体的に明らかでないので、記載金額は、30,450円となり、印紙税額は、200円となります。
・相殺した場合の領収書
一般に債権と債務を相殺した場合において、その事実を証明する方法として領収書を作成することがあります。
この領収書は、領収書としての表示がなされていますが、現実には金銭又は有価証券の受領事実はないのですから印紙税法上の受取書には該当しません。
(注) | たとえ相殺の事実を証明するために作成される領収書であってもその事実が文書上明らかでないときには、その領収書は文書上は金銭又は有価証券の受領事実を証明しているとみられますので、印紙税法上の受取書に該当することになりますので、きちんと相殺である事を明記しましょう。 [例]「売掛金と買掛金を相殺」とか、「 年 月の売上代金と相殺」など |
(注) | 一部の金額については相殺とし、残りの金額を金銭等で受領したことの文書(いわゆる「一部相殺の領収証」)は、その相殺に係るものであることが明らかにされている金額については受取金額には当たらないものとして取り扱われることになります。 [例] 売掛金700万円から買掛金400万円を差引いた300万円を小切手で受取した場合 金700万円 「但し、売掛金と買掛金を400万円相殺」と明記 上記但書を明記した場合:印紙税額600円(300万円) 上記但書を明記しなかった場合:印紙税額2,000円(700万円) |
最後に、上記以外にも注意点は多くありますが、代表的なものを上げてみましたので、 参考にしていただければと思います。
(平成24年9月6日 現在)
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