コラム Column

近藤明夫税理士事務所コラム

日々の、仕事を通じて考えたこと、気づいたことを、
このように"コラム"としてまとめています。
読んでいただいた方にも何かのヒントになればと思っています。
長くお付き合いをする上で、自分の考えや思いに多少なりとも
ご賛同いただければ、と願っています。

年金機能強化法について

コラム「産休・育休の基礎知識(バックナンバー18)」で、産休中の保険料免除について触れましたが、 今回は、それ以外の平成26年4月施行の法改正(年金機能強化法)についても確認していきましょう。

・国民年金保険料 免除期間の2年間遡及申請

法改正前 : 申請日の前年の所得で判定。直近の7月(学生納付特例は4月)まで遡及する。
法改正後 : 免除すべき月の属する年度の前年の所得で判定。保険料の時効の成立していない過去2年分まで遡及する。

・国民年金保険料 免除期間の前納保険料の還付

法改正前 : 免除期間に該当しても、前納保険料はそのまま納付済み期間となる。
法改正後 : 免除期間に該当すれば、前納保険料は還付される。
POINT) 申し出れば、前納保険料は還付されず、そのまま納付済み期間とすることができる。

・付加保険料(月400円)の遡及納付可能

法改正前 : 納期限までに保険料を納付しなかった場合、加入を辞退したものとみなされる。
法改正後 : 時効の成立していない過去2年まで遡及納付できる。
POINT) 実際には、国民年金保険料と付加保険料の両方が未納となってしまう場合が多いのに、法改正前は国民年金保険料しか遡及納付できなかった。

・老齢基礎年金の繰り下げ支給の見直し

法改正前 : 70歳到達後、申し出が遅れても増額はなく、申し出のあった月の翌月分より支給。
法改正後 : 申し出が遅れても遡って申し出があったものとみなし、70歳到達月の翌月分より支給。
POINT) 施行日(H26.4.1)前より申し出が遅れている場合は、施行日の翌月分より支給。

・障害年金の年金額改定要件(待機期間)の一部緩和

法改正前 : 障害基礎年金の受給権取得日もしくは厚生労働大臣の診査を受けた日から起算して1年を経過した後でなければ、改定請求できない。
法改正後 : 障害の程度が増進したことが明らかな場合は、1年を経過しなくても改定請求ができる。
POINT) 障害の程度が増進したことが明らかな場合として、 22項目が例示されている。

・遺族基礎年金の父子家庭への支給

法改正前 : 妻又は子に支給。
法改正後 : 配偶者又は子に支給。
POINT) 施行日(H26.4.1)以後に死亡したことにより支給する遺族基礎年金から適用される。

・未支給年金の請求権者の拡大

法改正前 : 年金の受給者が死亡した場合、未支給の年金については、死亡当時生計を同じくしていた、その者の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹が請求できる。
法改正後 : 上記に加え、三親等内の親族も請求できる。
POINT) 追加された三親等内の親族・・・子の配偶者、ひ孫、曾祖父母、おい、めい、おじ、おば

・所在不明高齢者に対する届け出の義務化

法改正前 : 年金の受給者は厚生労働省令に定める事項を届け出なければならない。
法改正後 : 年金の受給者だけでなく、その世帯に属する者も届け出なければならない。
POINT) 所在不明にもかかわらず、そのまま年金が支給され続けるケースに対応。
所在不明の届出があれば、生存を確認できる書類の提出を求め、年金を一時差し止める。
届け出を行わない場合は、後期高齢者医療の利用情報より、一定期間利用実績のない者を対象に訪問調査する場合がある。

(平成26年12月8日 現在)


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