日々の、仕事を通じて考えたこと、気づいたことを、
このように"コラム"としてまとめています。
読んでいただいた方にも何かのヒントになればと思っています。
長くお付き合いをする上で、自分の考えや思いに多少なりとも
ご賛同いただければ、と願っています。
平成26年度消費税の改正について
今回は平成26年度消費税の改正のうち、中小事業者の仕入に係る消費税額の控除の特例(簡易課税制度)
のみなし仕入率の改正について確認していきたいと思います(第57条関係)。
(1)改正の内容
@金融業及び保険業を第五種事業とし、そのみなし仕入率を50%(現行60%)とする。
A不動産業を第六種事業とし、そのみなし仕入率を40%(現行50%)とする。
(2)簡易課税制度のみなし仕入率について確認をしておきます。
(改定前)
該当する事業 | 卸売業 | 小売業 | 製造業等 | その他の事業 (金融業及び保険業) |
サービス業等 (不動産業) |
---|---|---|---|---|---|
事業区分 | 第一種 | 第二種 | 第三種 | 第四種 | 第五種 |
みなし仕入率 | 90% | 80% | 70% | 60% | 50% |
〈改正後〉
該当する事業 | 卸売業 | 小売業 | 製造業等 | その他の事業 | サービス業等 (金融業及び保険業) |
不動産業 |
---|---|---|---|---|---|---|
事業区分 | 第一種 | 第二種 | 第三種 | 第四種 | 第五種 | 第六種 |
みなし仕入率 | 90% | 80% | 70% | 60% | 50% | 40% |
(3)金融業及び保険業の範囲
この改正により、第五種事業となった金融業及び保険業の範囲は、 おおむね総務省の日本標準産業分類の大分類に掲げる分類を基礎とし、大分類「J-金融業・保険業」と表示され総説で詳細に分類されている。
(4)不動産業の範囲
この改正により、第六種事業に該当することとなった不動産業の範囲は、日本標準産業分類の大分類「K不動産業、物品賃貸業」のうち不動産業に該当するものです。 日本標準産業分類の大分類において不動産業に該当する事業は、「建物売買業、土地売買業、不動産代理業・仲介業、貸事務所業、土地賃貸業、貸家業・貸間業、駐車場業、 その他の不動産賃貸業、不動産管理業」ですが、このうち建物売買業及び土地売買業は第一種事業又は第二種事業となります。
(5)適用関係
この改正は、平成27年4月1日以後に開始する課税期間について適用されます。 ただし、平成26年10月1日前に簡易課税制度選択届出書を提出した事業者で当該課税期間につき簡易課税制度の強制適用を受けるものについては、 簡易課税制度を適用を開始した課税期間の初日から2年を経過する日の属する課税期間の末日の翌日以後に開始する課税期間から改正後のみなし仕入率を適用することとされています。
(6)検討事項
不動産業のうち、不動産賃貸業においては、一般課税に比べて簡易課税の方が有利になる場合が多いと思われます。しかし、不動産仲介業や不動産管理業においては、他に非課税売上がない場合には、一般課税による控除対象仕入税額の計算もそれほど複雑でないと考えられ、今回の改正を受け簡易課税制度から一般課税に変更するかどうか検討する必要があると思われます。
(平成26年8月5日 現在)
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